出水駅からツルに見送られて。
前回の記事では、八代駅から肥薩おれんじ鉄道に乗車して、出水駅までやってきました。不知火海の景色は素晴らしいものでした。
今回は、引き続いて、出水駅から川内行きの列車に乗車します。
出水駅のホームでは、堂々とツルたちが立っています。出水市は日本一のツルの渡来地として知られています。
毎年1万羽を超えるツルがやって来て、冬を越すそうです。
天草灘の方向へ進み、海沿いを行きます。
出水駅を出発すると、列車は海の方向へと進んでいきます。20分ほど乗車して折口駅を出発すると、ようやく海が見えてきました。
今まで見てきたのは不知火海でしたが、ここから先は東シナ海の天草灘が広がっています。
続いて主要駅の阿久根へと停車します。途中下車する時間はありませんでしたが、数年前に駅のリニューアル工事が実施されて、とってもおしゃれな駅になったらしいです。
阿久根を出発して次の牛ノ浜駅からが、景色の見どころとなります。進行方向右側の車窓から海が見えてきます。
少しかすんでいますが、車窓から海岸線を見とおすことができる、眺めがよいところです。
あちらこちらで、ゴツゴツした岩礁が海面から顔を出しているのが特徴のように見えます。
このあたりのいくつかの駅では、標準の駅名票のほかに、素敵なイラストが描かれた駅名標も立てられています。おれんじ愛がひしひしと伝わってきます。
薩摩大川駅を出発して、次の西方駅まで波打ち際を走っていきます。海が近くて、まるで波の音が聞こえてきそうです。
次の西方駅では、西方海岸にある奇岩「人形岩」が有名なスポットの駅です。
一体どれが「人形岩」なのだろうかと、ぼやぼやしているうちに通り過ぎてしまったみたいです。なかなか難しいですね。
次の薩摩高城駅は、「さつま たき」と読みます。何も知らずに読めば「さつま たかぎ」と読むのが普通だと思います。
薩摩高城駅を出発すると砂浜と岩場が見えてきました。これが海の車窓の終わりの景色となりました。これまで楽しませてくれた天草灘ともお別れです。
いよいよ終点の川内駅へと到着です。
海とお別れして、終点の川内へ向けてラストスパートです。川内駅へ到着する手前で川内川を渡ります。上から読んでも下から読んでも同じ、そんな川の名前です。
そして、ついに終点の川内に到着です(「かわうち」ではなく「せんだい」です)。
八代から出発して3時間弱の長い旅でした。これにて肥薩おれんじ鉄道を完乗いたしました。
前半は不知火海、後半は天草灘と、2つの海を楽しめる絶景の路線でした。今回はかなり駆け足となりましたが、できるものならば途中下車しながらゆっくり時間をかけて楽しみたいものです。
川内駅には「おれんじ食堂」も停車していました。優雅に食事をしながら、きれいな海の景色を眺めて旅ができる列車です。
本格的な料理が楽しめると聞きますので、こちらもいずれ乗ってみたいものです
長らくお付き合いいただき、ありがとうございました。
2018年ゴールデンウィークの九州乗り鉄旅行の連載は、今回をもって終了でございます。
「オーシャンビュー」のコンセプトは旅行前に意図したものではないですが、振り返ってみると、今回乗車したのはきれいな海の路線が多いことに気づき、その方向性でまとめることにしました。玄界灘にはじまり、有明海、大村湾、不知火海、天草灘と魅力的な海の景色がいっぱいの九州の路線でした。
長らくお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。
(終わり)