「快速・普通列車のグリーン車自由席」は18きっぷが利用できる?
「青春18きっぷ」は、JR全線が乗り放題になる非常にお得なきっぷですが、乗車できる列車には制限があります。
18きっぷで乗車可能な列車は普通列車及び快速列車であり、基本的には特急列車には乗車することができず、新幹線も乗車できません。*1
18きっぷでグリーン車など乗れるわけがないと思われそうですが、若干ややこしいルールがあり、「快速・普通列車のグリーン車自由席」であれば、グリーン券を追加することで乗車でき、ちょっとした贅沢ができます。*2
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快速・普通列車のグリーン車自由席はどれ?
この普通列車や快速列車のグリーン車自由席というのは、なかなかピンとこないかもしれません。新幹線や特急列車ならばともかく、普通列車や快速列車にグリーン車なんてあったでしょうか。
実は、東海道線などを走る列車で見かける2階建ての車両が、普通列車や快速列車のグリーン車自由席に該当します。上の写真のような車両が連結されているのを見かけたことはないでしょうか。
今回は、首都圏近郊を走っている普通列車(以下、快速も含む)のグリーン車自由席についてご紹介します。18きっぷと併用すれば旅が快適になること間違いないと思います。
どこを走っているのか?
首都圏の近郊において、普通列車のグリーン車自由席の車両が走っている区間は、上掲の図をご参照ください。
なお、2023年度末を目途に、中央線(快速)及び青梅線においても導入される予定となっています。
料金はいくら?
普通列車のグリーン車自由席には、乗車券とは別にグリーン券が必要となります。
このグリーン券の料金は、「50kmまで」と「51km以上」のわずかに2段階というシンプルなものです。そして、「ホリデー」(土日祝等)のほうが、200円安くなります。
平 日 ホリデー
50kmまで 780円 580円
51km以上 1000円 800円
※車内で購入すると、260円増しの料金となります。
18きっぷの使用を前提とすると、51km以上は料金が一定であること(列車を乗り継いだ場合でも料金は一定です)、休日のほうが料金が安くなることは、むしろありがたいです。
どこで買う?
一般的なきっぷと同様に、自動券売機やみどりの窓口で磁気タイプのグリーン券を購入することができます。
また、SuicaやPasmoにグリーン券の情報を登録するという方法で購入することもできます。この場合は、磁気タイプのきっぷは発行されません。
そして、券売機やみどりの窓口でグリーン券を購入しないで改札をくぐった後であっても、ホーム上に設置された機械で購入することもできます。
ただし、ホーム上で購入するときは、SuicaやPasmoなどに情報を登録させる方法のみとなりますので、交通系ICカードが必要となります。
なお、乗車後に車内でもグリーン券を購入することができますが、事前に購入するよりも260円も増額されるので、注意が必要です。
それでは乗ってみましょう
では、実際に普通列車のグリーン車自由席に乗車をしてみます。グリーン車自由席は、基本的に4両目と5両目に連結されています。
車両は2階建てになっており、1階席と2階席があります。また、座席は少ないですが車端に平屋席もあります。
座席は全席リクライニングシートになっています。回転させて4人のボックスにすることも可能です。
あくまで自由席です
グリーン車とはいえ自由席ですので、席は決まっていません。いわば早い者勝ちです。なお、自由席ですので、途中で座席の移動はできます。
座席が確保されるわけではないので、もし満席の場合は座れないというデメリットがあります(立っていても、グリーン車の車両内にいる場合はグリーン券が必要です)。
着席の際には、座席の上側のランプを見て、空席を示す赤色ランプの座席に座ります。ICカード等にグリーン券情報を登録した場合には、着席時にSuicaのマークにICカード等をタッチします。すると、ランプの色が着席を示す緑色に変わります。
磁気タイプのグリーン券を購入した場合は、そのまま着席します。この場合は、車内改札のときにグリーン券を提示します(改札後、乗務員の操作でランプが赤から緑に変わります)。
普通列車でも少しリッチになった気分?
座席には、テーブルとドリンクホルダーなどが付いており、駅弁などを買い込んでからの移動には持ってこいです。
また、「グリーンアテンダント」が車内をまわってきたときに、車内販売で飲み物や軽食を購入することもできます。
リクライニングシートで、お弁当を食べたりビールを飲んだりしながら移動することもできますので、18きっぷで乗車する場合であっても、少し優雅な気分になれそうですね。
こういう時に使えるかも
この普通列車のグリーン車自由席ですが、平日のほうが料金が高いところからすれば、仕事帰りで疲れたときや長距離の出張のときの利用が想定されているかもしれません。
しかし、平日のほうが料金が安いというメリットを活かせば、熱海や伊豆方面、群馬・栃木・茨城の北関東方面への日帰り旅行や、これらを経路に組み込んだ泊りがけの旅行などにもちょうどいいように思います。
18きっぷ利用での列車乗り継ぎにおいても、疲れたときにグリーン車自由席が利用できるとずいぶん楽になります。往路はまだしも、復路で遅い時間に首都圏へ戻ってくるときにリクライニングシートで帰って来られるとありがたいです(とりわけロングシートで疲れた後に、グリーン車自由席に乗り継ぐと恩恵が大きく感じるように思います)。
次のお出かけの時には、ご利用を検討してみてはいかがでしょうか。
※2019.10.16 消費税10%引き上げによる料金改定に対応のため記事更新