「北陸トライアングルルートきっぷ」は、金沢・能登・高岡を中心とする北陸地方の自由周遊区間内が、2日間、普通列車の自由席に乗り放題になるきっぷです。
「トライアングルルート」というのは、自由周遊区間がまるで三角形を描くように設定されていることに由来しています。
※2020.5.2 ひみ番屋街に関する記述を追加しました。
フリー乗車できる区間
北陸トライアングルルートきっぷの自由周遊区間に設定されているのは、以下の区間です。
・IRいしかわ鉄道(金沢~倶利伽羅)
・あいの風とやま鉄道(倶利伽羅~高岡)
・JR七尾線(津幡~和倉温泉)
・のと鉄道線(七尾~穴水)
・JR氷見線(高岡~氷見)
・JR城端線(高岡~城端)
・加越能バス「わくライナー」(高岡~和倉温泉)
料金設定はお得ではないでしょうか
北陸トライアングルルートきっぷは、2日間も普通列車自由席が乗り放題のきっぷでありながら、2800円で購入できます。
普通に乗車券を購入した場合であっても、金沢~和倉温泉は1380円(IRいしかわ鉄道・JR七尾線)、和倉温泉~穴水は680円(のと鉄道)ですので、金沢~穴水を往復するだけで元が取れる計算となります。
観光列車の乗車券としても使える!
北陸トライアングルルートきっぷの魅力として、別途特急券や指定席券などを追加することで、観光列車にも乗車することが可能であるところが挙げられるます。
自由周遊区間では、個性的な観光列車が走っていますので、続いてご紹介したいと思います。
JR七尾線:「花嫁のれん」
金沢から七尾・和倉温泉へ向かう豪華絢爛な列車
まずはJR七尾線の観光列車で、金沢~和倉温泉間を走る「花嫁のれん」です。北陸トライアングルルートきっぷの場合、別途指定席特急券を購入することで乗車できます。
人気の列車ですので指定席をとるのは容易ではないですが、きらびやかな装飾をまとったこの列車は、できれば一度は乗ってみたいという気持ちにさせられます。
列車の中には、加賀の伝統工芸品が展示されていたり、 豪華にも金箔をあしらっていたりと、普通の列車と比べて一線を画しております。
個性豊かな半個室で列車の旅ができます。
花嫁のれんの1号車は、8つの半個室からなり、それぞれに命名がされているというこだわりです。
また、事前に食事のオプション券を買うことで車内で食事ができたり、カウンターで車内販売があったりと(注文すると席までアテンダントさんが運んでくれました。)、おもてなしのサービスがついています。
豪華絢爛なこの列車で和倉温泉まで出かけて、旅館で一泊といったプランは素敵ですね。
のと鉄道:「のと里山里海号」
続いては、JR七尾線と七尾駅・和倉温泉駅で接続して、さらに能登半島の奥の穴水駅まで通じているのと鉄道です。能登半島を走るこのローカル線では、観光列車「のと里山里海号」が走っています。
土日祝に運転する「ゆったりコース」の乗車は事前に予約が必要です。北陸トライアングルルートきっぷで乗車する場合には、追加料金700円で乗車することができます(通常価格の1500円から割引になります。ただし、インターネット予約ではなく電話予約をする必要があります)。なお、平日の「カジュアルコース」の場合は、車内で乗車整理券(300円)を購入して乗車します。
全国的にも珍しい郵便車を見学できる
のと里山里海号は、途中の能登中島駅で停車し、この駅に展示されている鉄道郵便車「オユ10」を見学することができます。
鉄道郵便車の中には、ポストが設置されており、実際に郵便を出すこともできます。ここから投函すると、限定の日付印がスタンプされて届くらしいです。
能登の海の景色を眺めながら走る
のと里山里海号は、のどかな能登半島の風景を楽しめるように、いくつかのビュースポットで停車しながら、普通列車よりも時間をかけてゆっくりと走っていきます。
アテンダントさんが乗車しており車窓の景色の案内をしてくれたり、オプションで食事付きのコースを選ぶことができます。
ゆったりと能登半島の列車旅を楽しむことができると思います。
JR氷見線・JR城端線:「ベル・モンターニュ・エ・メール」
最後は、JR氷見線とJR城端線を走る観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール」です。フランス語で「美しい山と海」という意味らしいです。ずいぶんと長い名前ですので、「べるもんた」という愛称が付けられています。
土曜日は城端線で、日曜日は氷見線で運行されています。北陸トライアングルルートきっぷで乗車する場合は、別途指定席券(520円)が必要となります。
雨晴海岸のビュースポット
氷見線の沿線の景勝地である雨晴海岸では一時停車をしてくれますので、車窓の景色を心おきなく楽しめます。
海の方向へ窓が大きく取られているので、有名な女岩もばっちり見えますね。さらに天気が良ければ、雨晴海岸の向こうに立山連峰が綺麗に見えて、すばらしい景色が見れるようです。
こちらの列車も車内販売や、食事オプション付きです。寿司御膳が車内で食べられるということで人気です。氷見駅の近くでは、植物園にいらっしゃったお客さんやパンダさんが手を振ってくれますので窓の外に注目です。
「わくライナー」でバス移動もできます!ひみ番屋街も停車します!
さらに、北陸トライアングルルートきっぷは、加越能バス「わくライナー」に乗車することができます。和倉温泉・七尾から、氷見市のひみ番屋街を経由して、新高岡・高岡へと至るルートを通ります。
鉄道の走っていない道路を通り、和倉温泉・七尾と高岡を結ぶショートカットコースとして利用することができます。鉄道で行くよりも相当な時間の短縮になると思います。 途中で氷見市の観光スポット「ひみ番屋街」*1にも停車します。うまく使いこなせばきっと便利な移動手段になると思います。
氷見市の観光に「ひみ番屋街」
ひみ番屋街には、氷見市の地元な魚介類を用いた飲食店や、お土産店が多数建ち並んでいる観光スポットです。どのお店から回ろうか目移りしてしまいます。また、氷見は海に面したの街で新鮮な魚が有名なので、たくさんの海の幸が取り揃えられています。建物は漁師さんたちが作業する小屋である番屋をイメージしたものとなっています。
氷見に来たら、やはり海鮮を堪能したいですね。ひみ番屋街では、お寿司や魚料理を食べられるお店があります。また、氷見で有名な氷見うどんを提供しているお店もあります。
無料で入れる足湯もあります
ひみ番屋街には、源泉掛け流しの天然温泉を利用した足湯もあります。窓の外には富山湾と立山連峰を望む景色が見えます。こちらは無料で入ることができますので、ひみ番屋街でのお買い物の合間に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
北陸の観光列車のお供に
今回は北陸トライアングルルートきっぷについて紹介してきましたが、観光列車の乗車券として使えるという点を活かして、お得に旅をすることができると思います。また鉄道だけではなくて、加越能バス「わくライナー」に乗車することもできるのもメリットです。
金沢や能登、氷見、高岡などの観光に組み入れて使えば、おもしろい列車の旅になるのでしょうか。
*1:わくライナーは氷見駅には停車しませんのでご注意ください。