新十津川駅には一日一本の列車しか来ない!
北海道にあるJR札沼線の終着駅である新十津川駅。
この駅には、一日一本しか列車が来ません。一日に一本だけ来る列車は、始発列車であり、かつ、最終列車でもあります。
今回は、そんな「一日一本」の列車がやって来る終着駅、新十津川駅を訪れます。*1
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実は滝川駅からショートカット可能
一日一本しか列車が来ない新十津川駅とは、いったいどんな辺鄙な場所だろうかと思うかもしれません。
新十津川駅は、札幌駅を発着する札沼線の終着駅ですが、実は滝川駅からもバスでアクセスすることができます。
滝川駅のバスターミナルから、新十津川役場行きのバスに終点まで乗車した後、500mほど歩くと意外とあっという間に到着します。
新十津川駅へやってきました
新十津川駅の駅舎は、こじんまりとした建物がいかにも終着駅らしいです。しかし、緑に囲まれどこか温かみのある雰囲気です。
一日一本というのはダテじゃありません。駅の時刻表も一行で終了です。到着時刻が9時28分、石狩当別行きが9時40分と書かれているだけです。(2016年9月時点のものです。)
駅のホームへと出てみました。線路が続く先には建物が立っていて、その手前で行き止まりとなっています。途切れた線路からはどこか寂しさが感じられます。
「札沼線」というのは、どこからきた名称?
新十津川駅が属している路線は「学園都市線」と呼ばれていますが、これは愛称で、正式な名称は「札沼線」といいます。
しかし、札沼線という路線の名前に対しては疑問を持たれるかもしれません。「札」は札幌を指しているとして、「沼」というのは何なのでしょうか?
それは、この路線がかつて留萌本線の石狩沼田駅までつながっていたことに由来しています。しかし、新十津川駅~石狩沼田間は廃止されてしまい現在に至るわけです。
駅の隣ではポニーも飼われていました
一日一本の列車がやって来る前に、駅の周りも見てまわってみます。たくさんのコスモスが咲いており、筆者が訪れた9月にはちょうど見頃を迎えてきれいです。
駅舎の隣には、「のびのびぼくじょう」と書かれた小屋が建てられています。これは何なのでしょうか。
「のびのびぼくじょう」の正体は、ポニーの小屋でした。さすが北海道というべきでしょうか、駅でポニーと触れ合えるのです。こんな駅はほかにはないと思います。
一日一本の列車は、子どもたちのお出迎えとお見送り!
いよいよ待ちに待った列車の到着です。この駅にやってくる最初で最後の列車です。JR北海道ではお馴染みのキハ40がやって来ました。
この新十津川駅では、列車の到着・出発に合わせて、近く保育所の子どもたちがお出迎えとお見送りがあります。そのうえ、子どもたちが手作りのポストカードを配ってくれます。この駅へやって来てよかったと、ほっこり心なごまされます。
存続が難しいかもしれないが、訪れる価値はある
この新十津川駅も、廃線へと向かう動きが出ています。札沼線の北海道医療大学~新十津川の区間は、JR北海道と沿線4町の間で廃線に関して協議が重ねられているようです。この区間が廃線となるのも、時間の問題なのかもしれません。
この駅へ来る前は 一日一本の終着駅とは、どんなに物悲しい雰囲気なのだろうかと想像していました。しかし実際に来てみると、小さな駅舎ながらも、周りをコスモスが彩り、子どもたちとポニーが迎えてくれ、心あたたまる時間が過ごせました。ぜひ一度新十津川駅を訪れていただきたいと思います。
*1:本記事は、筆者が2016年9月25日に新十津川駅に訪問したことを基にして作成しています。