もこもこ鉄旅部。

乗り鉄・旅鉄・駅ノート絵師(駆け出し)の筆者が、全国津々浦々を鉄道旅でまわったり、駅訪問して駅ノートにイラストを残したりするブログです。

上鹿折駅訪問&岩手開発鉄道めぐり!

※新型コロナウイルス対応の外出自粛要請前の旅行記です。

 

 今回は、大船渡線BRTの上鹿折駅に行ってまいりました。上鹿折駅へはミヤコーバス鹿折線がBRTとして走っており、これまで乗車する機会がなかったのですが、ようやく乗車することができました。

 

これでBRTも完全乗車!やったね!

乗りつぶしは細かいところもやり出すと大変だね

 

 そして今回はさらに、私がお世話になっておりますブログ『駅っ娘(ekikko)』の管理人"猫も"さんと上鹿折駅で合流し、ご厚意により岩手開発鉄道日頃市線を案内いただきました。ありがとうございました。

 

 内容盛りだくさんのため、記事は長めになってしまいましたが、どうぞご覧ください。

 

旅の始まりは春の嵐

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 今回の旅の始まりは、それはそれは大変でした。この日は春の嵐が吹き荒れ、東北新幹線は一時的に運転見合わせとなりました。その影響で、仙台駅に到着したのは予定よりも約1時間30分遅れ。

 当初組んでいた予定は、気仙沼線BRT経由で気仙沼に至り、上鹿折方面へのBRTに乗り継ぐプランでしたが、実行不可能は確実です。新幹線の中であれやこれやと頭をひねってルート変更を模索しました。 *1

 

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 色々と調べたうえで見つけたのが、仙台ー気仙沼間で運行されている高速バスでした。これならば、時間はタイトですが、気仙沼に到着した後に当初予定どおりに上鹿折のBRTに乗り継ぎができます。

 

高速バスはこのブログで初登場かも!? 

旅行にトラブルはつきものだし、使える手段はなんでも使わないとね

 

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  高速バスも高速道路を降りてからは一般道を走り、車窓からは海が見えました。その景色に三陸へやって来たという実感が湧いてきます。

 しかし、高速バスも10分遅れで運行している模様で、次の乗り継ぎの時間は大丈夫かと冷や冷やしっぱなしです。

 

BRTで上鹿折駅へ

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  高速バスを気仙沼市役所で降りて、上鹿折方面へのBRT(ミヤコーバス鹿折線)へ乗り換えです。ギリギリで発車時刻に間に合いました。今回はもうダメかと思いましたが、何とかなるものですね。こういうのも旅の面白さのひとつであります。

 

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  乗車するのは、一般的な路線バスです。ミヤコーバス鹿折線として運行しているバスの一部区間である気仙沼駅前~上鹿折駅がBRTとして運行する扱いになっています。

 

上鹿折駅前まで三連休東日本・函館パスで乗車できたよ

そりゃ、れっきとしたBRTだもん

 

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  鹿折唐桑を過ぎて海沿いに進む国道へ入らず、そのまま直進して鹿折川沿いを進んでいきます。地元の方のための路線という様相で、途中で住宅団地などを経由して上鹿折へと向かっていきます。

 

上鹿折駅を訪問します

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 目的地の上鹿折駅前に到着です。そしてここで、冒頭でも触れたとおり『駅っ娘(ekikko)』管理人の猫もさんと合流して、一緒に上鹿折駅を探訪します。

 

こんにちは!よろしくおねがいします!

よろしくおねがいします...。(あぅぅ緊張する…)

 

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 上鹿折駅の待合室は、建物の様子からしてまだ使えるようにも見えますが、このとおり封鎖されています。陸前矢作の待合室が解放されているのとは対照的です。

 

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 駅のホームの様子も見てみましょう。レールは残されたままですが、 鉄道の駅として使われなくなってから相当の年月が経ちます。ここを訪れるのは鉄道好きくらいのものでしょうか、なんだか物寂しい雰囲気があります。

 

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  鹿折唐桑方面を見てみると、線路の向こうは雑草が生い茂っています。使われなくなった線路は、こういう風になってしまうのですね。

 大船渡線の気仙沼~盛間は、ここを訪問した後の2020年4月1日をもって鉄道事業が廃止されました。これをもって、この駅も名実ともに廃駅となりました。

 

 上鹿折駅を訪問した後は、猫もさんのご厚意により車で岩手開発鉄道を案内いただけることになりました。

 

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岩手開発鉄道日頃市線をめぐります

 岩手開発鉄道は、現在は大船渡鉱山の石灰石を輸送する貨物専業の鉄道となっていますが、かつて1992年3月まで盛~岩手石橋間の日頃市線で旅客輸送も行っていました。

 もう列車には乗れませんが、駅は残されていますので、日頃市線の各駅をめぐっていきます。

盛駅

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  最初は、岩手開発鉄道の盛駅です。現在も残されたホームにポツンと佇んでいる建物は、かつて待合室と出札所として使われていたようです。旅客営業がされていた当時の雰囲気が伝わってくるような気がします。

 

JRと三陸鉄道の駅からは少し離れたところにあるんだね

盛は3回目なのに今まで全然気がつかなかったよ

 

猪川駅

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 続いては猪川駅にやってきました。もともと駅舎はなく築堤の上に簡易的なホームが設置されているだけの駅だったようです。現在はほとんど跡形もありませんが、唯一ホームへと続く階段だけが残されています。

 

長安寺駅

f:id:yukisigekuni:20200422005228j:plain 次は長安寺駅にやってきました。残念ながら立ち入り禁止となっており、遠目に駅舎を眺めるだけとなりました。木造に瓦葺の建物で、思っていたよりも立派な駅舎が建っています。

 

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 駅名にもなっている「長安寺」は、駅のすぐ近くにあり、こちらにも立ち寄りました。入口にそびえている山門は高さ20メートル、総けやき造りという大変立派なものです。荘厳な雰囲気には圧倒されてしまいます。

 

ここ列車に乗って来てみたかったなぁ~

一日3往復しかなかったから大変だよ

 

日頃市駅

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  続いては、日頃市駅にやってきました。こちらも木造に瓦葺の駅舎で、レトロな雰囲気が伝わってきます。個人的にツボだったのが、屋根の部分の直接的に取り付けられて立体的に見える駅名の文字。古びた感じの駅舎と相まって哀愁を感じます。

 

岩手石橋駅

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 最後にやってきたのが終点の岩手石橋駅です。スイッチバック構造となっており、ホームが線路に挟まれて位置するという格好になっています。駅舎は後ろ部分だけ突き出た2階建てが特徴的です。

 

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 岩手石橋駅では、採掘した石灰石を巨大な施設(ホッパー)で貨車に積み込みを行っています。実際の積み込み作業は、さぞ迫力があることでしょう。*2

 ここで積み込まれた石灰石は、盛駅を経て、太平洋セメントの工場のある赤崎駅へと運ばれていきます。

 

 岩手開発鉄道日頃市線めぐりは、これにて終了です。今は貨物輸送だけを行っている路線ですが、駅もまた個性的でした。

 

すごく独特な雰囲気の路線だったね!

今回はまだ続きがあるみたいだよ

 

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つながる駅ノート

 さて、そもそも今回の旅に至った経緯なのですが、実は駅ノートによるものでした。当ブログでも何度も登場している駅ノートイラスト、私は最近はじめたばかりの初心者ですが、猫もさんはその先輩で、この度のご縁をいただきました。

 岩手開発鉄道をめぐって日も落ちてきましたが、今回の旅はもう少し続きます。

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 この日はあいにくの空模様で雨も降ってきましたが、五葉温泉に入湯して温まりました。これはいわゆる裸の付き合いってやつですね。さっぱりとした良いお湯でした!

 

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 日が沈んで真っ暗になってから、首切り地蔵で肝試し。幽霊の存在は信じていないのですが、ここは本気で怖いって思っちゃいましたよ...。

 

お地蔵さんの首が切れてる...らしいよ。ちょっと見てみない?

ダメだよ無理無理無理 祟られる呪われる...

 

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 そして居酒屋で飲み食いしながら、駅ノートについて熱く語り合うのでした。

 猫もさんがおっしゃるには、駅ノートには何描いてもいいんですよ、とのこと。

 まだまだ修行を積まなければなりませんが、そのとき駅に降り立って感じたこと、気になったことが表現できればなあ、と思うのでした。

 

 長い一日もこうして終わりを迎えました。猫もさん、何から何までお世話になってしまい、本当にありがとうございました。

 

ありがとうございました!

ありがとうございました!

 

今回の駅ノート

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 この日は、事前に描いた絵を陸前高田駅の駅ノートに貼らせていただきました。

 両端はうちの子"ちはや"(右)と"つぐみ"(左)。真ん中は猫もさんのキャラ"ろこ"ちゃんを、私なりの解釈で描いたものです。(全くの別人になってしまいましたが、本物はもっとかわいいですよ。*3

 

 これまでに立ち寄った駅で「駅ノート」を見かけた方もいらっしゃると思いますが、その駅ノートにイラストを残していく「駅ノート絵師」と呼ばれる方々がいます。私のような拙い絵しか描けない者も、枯れ木も山の賑わいで温情により細々と活動させていただいております。

 旅の途中で駅ノートを手に取っていただく方々が少しでも増えることを願って、これからも精進したいと思います。

 

 長文になってしまいましたが、ここまでお読みいただきましてありがとうございました。

 

*1:当初は仙台から東北線と気仙沼線の列車を乗り継いで柳津まで行き、そこからBRTで気仙沼へ行く予定でしたが、列車遅延により実行不可。一ノ関まで行って大船渡線の乗車も考えましたが、こちらも上鹿折へのBRTに間に合わず断念。どうしたものかと新幹線の中で頭を抱えました。

*2:これを見たとき、奥多摩駅の脇で轟音を上げる奥多摩工業の工場が思い浮かびました。かつては石灰石を運んでいた青梅線に思いをはせるのでした。

*3:本物のろこちゃんは東北の駅ノートの何か所かにいるみたいです。