【2014年】初の本格的な鉄道旅で東北一周

 今回は、2014年に行ってきた東北一周の旅(5泊6日)について振り返ります。

 この旅は当ブログ2周年の記事でも少し触れたのですが、おそらく私が鉄道旅をはじめるきっかけとなったものです。

www.mocomoco-tetsutabi.com

 ※上記記事は一部誤りがあり、公開後に少々修正しました。

 

 実はこの東北一周の旅は、当ブログにおける第1号記事でした。しかし、写真が圧倒的に少ないうえに画質も悪く、今では文章の書き方も最初とは変わったこともあり、削除しておりました。とはいえ、自分にとっては思い入れがあるものであり、この機会に大幅修正して復活させました。

 文章は冗長で、写真は見るに堪えないものですが、大目にみていただけますと幸いです。

 

1日目 東京~福島~山形~仙台

 今回の旅の目的地は東北。岡山出身の私にとっては、東北は縁もゆかりもない土地で、これまで足を踏み入れた機会もありませんでした。偶然にも長期の休暇があり、この機会に行ってみようと思い立ち、北海道&東日本パスを利用して旅立つのでした。

 

東北本線を乗り継いで 

 当時住んでいた東京都内の駅から午前5時台の東北本線に乗車して旅の始まりです。そして、宇都宮、黒磯、郡山と列車を乗り継いで、10時54分に福島に到着しました*1

 当時の私が鉄道で長距離移動をしたことがあるのは、帰省時の東海道本線・山陽本線だけです。この日は平日ということもあって、それまで経験した帰省ラッシュの時の殺伐とした感じとは違ってゆったりとしていました。

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福島駅で乗り継ぎに時間があったので阿武隈川のほとりへ

 

奥羽本線で山形へ

 福島からは山形方面へ向かいます。福島12:51発の米沢行きの奥羽本線に乗り換えました。福島~米沢までの区間は、本数が少なく秘境駅が立ち並びます。列車の乗客も少なく車窓に移る山並みを見てぼんやりしていました。米沢で山形行きの列車に乗り換えると、止まる駅々でスノーブーツを履いた地元の方々が乗ってきました。

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山形駅に14:21到着

 

立石寺を観光

 そして山形からは仙山線に乗り換えて、山寺で途中下車。この日の目的の一つである立石寺を参拝します。受付の方からは、暗くならないうちに早めに下山してくださいね、と言われ少々急ぎます。

 この寺のせみ塚では、松尾芭蕉が「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」との有名な句を残したと言われています。私が実際に訪問したときは冬の日。芭蕉の句と季節は逆ですが、山の静かさや凛とした冷たい空気を感じました。

 奥ノ院までのは、山登りさながら急な坂道を登っていきます。寒いと思って着込んでいました、途中から汗だくになりながら参拝しました。

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奥の院に到着!結構キツかったです...

 

仙台で一泊 

 山寺を観光した後は、再び仙山線に乗車して仙台へと向かいます。当初は乗客もまばらだった車内ですが、愛子(あやし)のあたりからはどんどん乗って来て、仙台へ向かう人で混雑をしてきます*2

 そして、仙台に18:15に到着。青葉城址の伊達政宗像のライトアップを見て、1日目は終わりです。

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夜の青葉城址

 

2日目 仙台~石巻~鳴子温泉

  東北の旅2日目。初めての本格的な鉄道旅に疲れたのか、寝坊しました。当初の予定より1時間ほど遅れて出発です*3。この日は宮城県内をまわります。

 

初めての松島

 宮城県にやってきたのは初めてのことでしたので、もちろん観光します。向かうは日本三景の松島です。穏やかな海やそこに浮かぶ多くの島々が織りなす景色に、なんだか心落ち着きます*4

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初めて訪れた松島

 

石巻で震災の被害を目の当たりに 

 松島を訪問した後は、松島海岸駅から仙石線に乗車して石巻へと向かいます。といっても、この当時は東日本大震災の影響で、仙石線も復旧していなかったので松島海岸~矢本は代行バスが走っており、矢本から電車に乗り換えて石巻へたどり着きました。

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当時の代行バスの車窓から

 石巻では市街地を歩いてまわりましたが、いくつかの建物で当時の津波による浸水深が記されていました。自分自身の頭より上に目印があって、ぞっとさせられます。

 この旅では震災遺構を見るということも目的のひとつとしており、旧門脇小学校へ行ってきました。駅からは少々遠いですが、街の様子も見たいと思って歩くことにしました。海沿いに向かうにつれて、建物が全くなくなって、何もない更地がただただ広がる光景に、そして辿り着いた小学校のシート越しでも見て取れる損壊した様子に、絶句しました。

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旧門脇小学校

 

鳴子温泉に入りました 

 石巻を探訪した後は、石巻線に乗車して終点の小牛田まで行き、さらに小牛田で陸羽東線に乗り換えて鳴子温泉へと向かいます。鳴子温泉では日帰り温泉の「滝の湯」に入湯。乳白色のとろとろのお湯は素晴らしかったです。

 そして、この日の宿泊は、隣駅の鳴子御殿湯の東鳴子温泉です。「黒湯の高友旅館」さんに一泊しました。むせかえるようなアブラ臭の中、底が見えない深緑のお湯につかります。いかにも成分が濃そうな温泉は、あっという間に体が温まり、寒い冬の日だというのに、出た後もなかなか汗が止まらないほどでした*5

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黒湯の高友旅館さん

 

3日目 鳴子御殿湯~平泉~盛岡~宮古

 東北の旅の3日目、舞台は岩手県へと移ります。鳴子御殿湯から陸羽東線に乗車して小牛田まで抜け、東北本線へと乗り換えて一ノ関までやってきました。この日は平泉を観光した後、盛岡を経由して宮古まで向かいました。

 

平泉の世界遺産

 最初にやってきたのは毛越寺です。そのときの印象に残っているのが、庭園いったいに広がる大きな池。「浄土庭園」という仏の世界を表現したものらしいです。

 そして続いて、平泉では外せない中尊寺を訪問しました。本堂に安置されているご本尊は巨大で迫力があります。また有名な金色堂は建物の中に保存されておりガラス越しに拝観します。意外と小さい...と思ってしまいましたが、黄金の建物はゴージャスです。

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中尊寺金色堂

 

東北本線で盛岡へ 

 さて、平泉観光を終えた後は、東北本線をひたすらに北上して盛岡へと向かいます。ロングシートの列車やあまり変わり映えのない景色に少々疲れてきましたが、いま思えば、鉄道旅に忍耐は必要不可欠。苦あれば楽ありの精神で、辛いことの後ろにはきっと良いことあります(ただの持論です)。

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盛岡17:16到着

 

山田線で宮古へ

 盛岡で名物のじゃじゃ麺をいただいた後は、山田線に乗車しました。もう周りは真っ暗になった中、気動車がエンジン音をうならせて走ります*6。車窓は何も見えず記憶に残ってないのですが、列車に乗っていた小さな兄弟が座席で仲良く寝ていたのにほほえましくなったのを覚えています。

 この日は宮古で一泊しました。その後に何度も行っている三陸なのですが、このときが初めての来訪です。

 

4日目 宮古~八戸~青森~鯵ヶ沢

 東北の旅4日目。この日の舞台は青森県がメインです。太平洋側をぐるっと回って青森へ至り、そこからさらに弘前を経由して日本海側の鯵ヶ沢まで向かいます。

 

三陸鉄道と八戸線を乗り継いで

 この日は宮古8:00発の三陸鉄道北リアス線(当時)の久慈行きの列車に乗車してスタートです。田老駅の車窓から見える光景からは、津波の被害の大きさがうかがわれました。そして列車は海沿いを北に進んで、ビュースポットの大沢橋梁で徐行運転を経て、久慈駅へと到着しました。

 久慈駅では八戸線に乗り換えます。列車はきつい勾配を苦しそうに上りきって、しばらく走ると車窓には海が広がります。ほとんど乗っている人もいない列車で太平洋を眺めるという贅沢な時間でした*7

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八戸線のキハ40系

 

雪の降る三内丸山遺跡を訪問

 八戸からは青い森鉄道に乗り換え、青森へと到着しました。駅からバスでアクセスできる三内丸山遺跡に行ってみました。高校時代の日本史で習った記憶では、縄文時代を代表する遺跡です。

 いざ行ってみれば、ほとんど誰もおらず貸し切りに近い状態。こんな雪が降り積もる状態で見物しようとする人は少ないでしょうが、冬らしい景色を堪能しました*8。しかし、こんなに雪が降るところでの暮らしは縄文人も大変だったのではないでしょうか。

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雪が降り積もる三内丸山遺跡

 

鯵ヶ沢で一泊します

 青森から奥羽本線に乗って弘前まで行き、五能線へ乗り換えます。そして、弘前19:54発の列車で鯵ヶ沢に21:10に到着です。それまで全く名前も聞いたことがなかった土地です。宿泊する「ホテルグランメール山海荘」さんに駅前まで送迎してもらいました。ずいぶん立派なホテルで、化石海水を使用した大浴場があり、ロビーでは津軽三味線の演奏もありました。翌朝も始発列車にもかかわらず送迎してもらえて至れり尽くせりです。

 

5日目 鯵ヶ沢~艫作~秋田~田沢湖

 東北の旅も最終日を迎えました。この日のテーマは「温泉」です。青森県の不老ふ死温泉で日帰り入浴、さらに秋田県の乳頭温泉で一泊します。

 

日本海の景色が美しい五能線

 鯵ヶ沢6:03発の列車に乗り込んで、東能代方面へと向かいます。列車はほとんど貸し切り状態。始発列車で眠いなどと思っていたら、車窓から見える景色に眠気も吹っ飛びました。広大な日本海が目の前に迫っているくらいの距離に見えました。奇岩が立ち並ぶ複雑な海岸線に沿って列車は進んでいき、絶景が続きます。月並みですが、五能線は間違いなく鉄道旅の魅力を教えてくれた路線です。

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五能線から見る日本海(ただし写真の腕が残念)

 

不老ふ死温泉で予想外の事態

 五能線の景色を堪能し、艫作(へなし)で下車しました。この駅から徒歩で「不老ふ死温泉」へと向かいます。道中には五能線全通記念の石碑というのもありました。

 さて、目当ての不老ふ死温泉に到着すると残念なお知らせ。波が高くて露天風呂には入浴できないとのこと。目の前で海が見える絶景の露天風呂が有名なんですが、自然現象には勝てません*9。しかし、内湯もさすがのもので、鉄分を含んでいると思わせるような濃いめの赤茶色のお湯が特徴的でした。いつか宿泊もしてみたいと思う良い温泉でした。

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不老不死温泉は目の前が日本海

 

 この後は、不老ふ死温泉から送迎バスがあるウェスパ椿山からリゾートしらかみに乗車するつもりでしたが、ここで予想外の事態が起こりました。強風で五能線の列車が全て運休になってしまいました。

 身動きが取れなくなってしまい困っていたのですが、不老ふ死温泉の方のご厚意で、本来は宿泊者用の送迎バスで東能代まで送っていただけることになりました。本当にありがたい限りです。バスでは乗り合わせたお母様方から「あなた電車で旅行してるの?」「私たちでも18きっぷというのは使えるのかしら?」と聞かれ、道中楽しくおしゃべりしました*10

 

乳頭温泉「鶴の湯」に一泊

 不老ふ死温泉の方に助けられて、東能代に到着しました。奥羽本線に乗って秋田まで行き、そこからは予定よりも時間が押していたので秋田新幹線で田沢湖へ向かいました。

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秋田駅に到着

 

 そして、田沢湖からバスに揺られること1時間ほど、かなり山奥まで来たというところで乳頭温泉「鶴の湯」に到着しました。この温泉は、事前に調べたら評価が高くて、行ってみたいと思っていました。露天風呂は何人も同時に入れるくらいとにかく広くて、硫黄の臭いが立ちこめる白濁したお湯は最高でした。

 また、周囲は秘境そのものといった景観で、部屋にはテレビもなく、暖炉で宿の方が栗を焼いてくれたり、タイムスリップしたかのようでした。日常のことなど忘れて自然に囲まれて心身ともに休める、まさにそんな場所でした。

 そんな長かった旅もこれで終わり。次の日は秋田新幹線で東京へと戻り、現実へと引き戻されていくのでした。

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秘境感あふれる乳頭温泉

 

ふりかえってみて、あらためて

 このときの旅は5泊6日におよぶ長いものでしたが、ふりかえってみれば、これが初めての本格的な鉄道旅でした。観光名所をめぐるのはもちろんなのですが、ディーゼル列車に揺られて車窓の景色を眺めてみたり、震災の被害を目の当たりにしたり、人里離れた温泉に浸かってみたり、アクシデントに見舞われたときに人の善意に助けられたり、個人的な旅行観のようなものは、ここに結びついているような気がします。ときおり、この時のことがふっと思い出され、ここが原点だったのではないかと感じさせられたりします。

 

 大変な長文になってしまいましたが、ここまでお読みいただきましてありがとうございました。

 

*1:この当時は新白河駅での乗り換えはありませんでした。

*2:「愛子」を「あやし」と呼ぶことに驚いたのが妙に記憶に残っています。

*3:鉄道旅で寝坊したのはこのときくらいです。これもまた良い思い出です。

*4:日本三景はここ以前に宮島に何度か行ってますが、観光客でごった返していたり鹿にどつかれたり。個人的には松島のほうが落ち着いていて思い出深いのです(思い出が美化されすぎているかもしれませんが。)

*5:これまで訪れた温泉の中では、個人的にはここの温泉がいちばん独特だったという印象です。

*6:後に区界駅を訪問して、かなりの高度があることを知りました。

*7:数年後にまた乗りたくなって、有家駅を訪問しました。

*8:私は雪が降り積もる景色を見るとテンションが上がって、むしろ喜んで歩きまわります。ただしスキーやスノボーのたぐいは一切できません。

*9:この1年半後くらいに不老ふ死温泉を再訪して、露天風呂への入浴を達成しました。

*10:旅にアクシデントは付き物ですが、このときは本当に助けられました。こういうこともあって、旅行では基本的に人の善意を信じることにしています。