筑肥線の後半は、黄色のディーゼルカーで伊万里へ
まずは、前回に姪浜~唐津間を乗車した筑肥線の後半戦です。筑肥線はこの区間だけでなく、現在はつながっていないものの、山本~伊万里間も属しています。もっとも、運行上は唐津駅または西唐津駅が発着となっています。
唐津駅から伊万里行きの列車に乗車します。ローカル線らしい面構えの、黄色のディーゼルカー1両編成です。
筑肥線は山本駅を発車後もしばらくは唐津線と並行して走った後、勾配を上って唐津線と別れて、肥前久保駅に到着しました。
車窓の景色は、ほとんどが広々とした畑や田んぼで、穏やかな田園風景が続きます。こういった車窓にはディーゼルの音がよく似合うと思います。
唐津駅からはわずかに1時間ほどで、あっという間に終点の伊万里駅に到着しました。ここで、松浦鉄道に乗り換えて有田駅の列車に乗車します。
伊万里駅は言わずと知れた焼き物の街です。乗り換えまでの間に散策する時間はほとんど取れませんでしたが、橋の欄干に堂々と陶器製の人形が鎮座していました。 この人形は酒樽にまたがって飲酒しているみたいですね。酔っぱらいをモデルにしているのでしょうか?
有田陶器市を垣間見て、佐世保線で肥前山口へ。
有田駅に到着しました。ゴールデンウィークはちょうど有田陶器市が開催されていて、人でごった返していました。
乗り換えまでに30分程しかありませんが、ほんの少しだけ駅前を歩いてみます。道路の両脇に出店が並んでおり、ところ狭しと焼き物が売っています。皿も茶碗も湯呑も一式お値打ち価格で揃いそうです。
有田駅からは満員の列車に乗って、肥前山口を目指します。武雄温泉では多くの乗客が降りていきましたが、このあたりでは既に新幹線の高架の工事が始まっています。
長崎本線との接続駅である肥前山口で下車をします。この駅で長崎方面の列車へ乗り換えます。
長崎まで行く普通列車の最終が早い
2018年春のダイヤ改正で、長崎行きの普通列車は、肥前山口駅を17時46分発(始発は鳥栖駅16時53分発)のものが最終便とずいぶん早くなってしまいました。この列車にあわせるためにプランを組むのはひと苦労しました。
夕方の時間帯だからか、乗客は高校生くらいの年代が多いようです。肥前山口を出発した後、肥前白石、肥前竜王、肥前鹿島の3駅の間でぞろぞろと下車していき、あっという間に乗客は少なくなってしまいました。
次の肥前浜駅では、少し停車時間があったので列車から降りてみましたが、駅舎は新しくなってきれいです。淡いピンクと白色がベースとなっており、どことなくレトロな雰囲気の建物です。
肥前浜駅を出発してすぐの進行方向左側の車窓に、遠くに目立つ斜張橋が見えました。この橋は、浜川の河口にかかる「新浜大橋」のようです。
日の入りを迎えながら有明海に沿って進む
昼間はずいぶんと天気がよかったのですが、長崎行きの列車に乗車してから急に曇って来て、ときどき雨も降ってきました。
あまり芳しくない天気の中、列車は長崎本線の見どころである多良~肥前大浦へやってきました。
この区間では、有明海を臨みながら湾に沿って大きくカーブして走っていきます。車窓から眺めても湾の形が見て取れるのが特徴的です。
進行方向と逆を振り返ってみても、こちらも列車が通ってきた湾の形がはっきりと見えます。
長崎本線で佐賀県側の端の駅が、肥前大浦駅です。隣の小長井駅は長崎県です。こうやって乗車してみると、佐賀県の有明海の沿岸は、思っていたよりもずっと長かったです(佐賀の方には失礼な話で申し訳ありません。)。
隣の小長井駅は、列車の停車中に外を見ると、目の前に海が広がっていました。日没の時間を迎えて明るさが限界でしたが、おそらくこの駅からは海の向こうに雲仙岳が見えるのではないかと思います。ここは次は途中下車してみたい駅だと感じました。
長崎に到着です。せっかくなので夜景は見ておきたい!
諫早駅からは乗客が増えてきて、すっかり街らしくなってきました。今回の列車は、長崎本線のうち新線を通るもので(「市布経由」と案内されます。)、喜々津を出ると、後の時代に作られた高規格の路線らしくトンネルをいくつも抜けて走ります。
肥前山口から2時間半ほどの乗車で、本日の最終目的地である長崎に到着しました。もう少しかかるかと思っていましたが、意外と早かったです。
長崎といえば、世界新三大夜景と評されるほど美しい夜景ですよね。時間の都合で稲佐山には登れませんでしたが、 並んで有名な鍋冠山公園に登ってきました。きれいに整備された公園で、夜景を楽しむにはおすすめのスポットです。天気が心配でしたが、くっきり視界良好でよかったです。
次回は、佐世保を目指します。
さて、九州の旅1日目はこれにて終了です。次回は、長崎本線の旧線(長与経由)と大村線を乗り継いで、佐世保を目指すことします。いずれも海沿いを進む路線なので、車窓が楽しみです。
(続く)