もこもこ鉄旅部。

乗り鉄・旅鉄・駅ノート絵師(駆け出し)の筆者が、全国津々浦々を鉄道旅でまわったり、駅訪問して駅ノートにイラストを残したりするブログです。

のと鉄道で行く能登半島の列車旅 (前編)

能登半島の七尾~穴水間を走る第三セクター

 のと鉄道はJR七尾線七尾駅和倉温泉駅から乗り継いで、さらに能登半島の奥の穴水駅までを結ぶ第三セクターの鉄道です。かつては、奥能登の輪島や蛸島まで行く路線を有していましたが、利用客の減少により現在は廃線となっています。

 のと鉄道では、観光列車「のと里山里海号」が運行されており、JR七尾線の観光列車「花嫁のれん」とあわせて、能登半島の鉄道旅を楽しむことができます。

 今回は「のと里山里海号」の乗車も含めて、のと鉄道の沿線の様子をお伝えできればと思います。

七尾駅から「のと里山里海号」に乗車します

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 JR七尾線普通列車にて終点の七尾駅までやってきて、一度改札を出てから、のと鉄道へ乗り換えます。七尾駅ではのと鉄道の列車は、JRの改札の隣の「のとホーム」から発着しています。

 「のと里山里海号」は、平日に走る「カジュアルコース」と土休日に走る「ゆったりコース」の2つがあります。「ゆったりコース」はスイーツプランや寿司御膳プランなど食事のオプションを付けることができます。

「カジュアルコース」は事前予約は不要ですが、「ゆったりコース」は原則として事前予約が必要となります(もっとも、当日空席があれば食事やスイーツなしであれば受け付けてくれるようです。)。

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 「のと里山里海号」の座席は、ボックス席に加えて、海が見える方を向いた座席が配置されています。やはり、海が見える座席が人気で、予約が埋まりやすいと思います。

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 車内のパーテーションは、田鶴浜建具の組子と輪島塗がコラボレーションして作られた物とのことです。このほかにも、車内にはこの地方の伝統工芸品が飾られています。

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七尾~和倉温泉間は2社の共用区間

 七尾駅の次は、和倉温泉に到着します。渚のいで湯で有名な温泉ですが、鉄道に関していえば七尾駅和倉温泉間はのと鉄道の列車が走っているほか、JR西日本の特急列車も走っています(普通列車は七尾止まりです)。

 この区間は、実は線路自体はJR西日本に属しているのですが、のと鉄道は共用で運行に使っているという形態になっています。*1

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 和倉温泉を出発すると、しばらくして車窓には海の景色が広がってきます。この日はあいにくの空模様でしたが、七尾湾の向こう側にうっすらと和倉温泉の温泉街が見えました。

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能登中島駅では鉄道郵便車の見学ができます

 「のと里山里海号」は、和倉温泉駅の次は、能登中島駅で10分程度の停車をします。能登中島駅には、かつて運行していた鉄道郵便車である「オユ10」が保存されており、停車時間中に中を見学することができます。

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 かつて車内において郵便物の仕分け作業を行っていた状況が、そのまま再現された車内になっています。まさに「走る郵便局」であったというわけです。

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 鉄道郵便車の中には、ポストが設置されており実際に郵便を出すことができます。このポストで投函すると、ここだけ限定の日付印をスタンプして届けてくれるらしいですよ。車内に記念スタンプも設置しているので、それを葉書に押して投函するのもいいでしょう。

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ビュースポット・深浦漁港の眺め

 「のと里山里海号」は、普通列車よりもゆっくりと時間をかけて運行されており、ビュースポットでは一時停車をしてくれるサービスがあります。

 能登中島駅を出発すると、しばらくしてビュースポットの深浦漁港で一時的に停車をします。列車の中から、波が穏やかでのどやかな漁港の様子を眺めることができる場所となっています。

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西岸駅は聖地巡礼のスポット

 「のと里山里海号」は通過しますが、次の西岸駅も見どころがあります。

 アニメや漫画の舞台となった場所を実際に探訪することを「聖地巡礼」と言いますが、西岸駅は2011年春に放送されたアニメ『花咲くいろは』の舞台(聖地)となっています。駅には、アニメの中での駅名である「湯乃鷺」の駅標も設置されいます。

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 のと鉄道では、普通列車で『花咲くいろは』のラッピング車両も走っています。聖地巡礼に行くなら、この車両に乗っていけば盛り上がること間違いないでしょう。

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 次回に続きます 

 のと鉄道は見どころいっぱいですね。一記事でまとめ切れませんでした。

 次回は、隣の駅の能登鹿島駅を中心にして、引き続き、のと鉄道の見どころをお送りしたいと思います。

(続く)

*1:七尾~和倉温泉間に限らず、和倉温泉~穴水間の線路もJR西日本の所有です。のと鉄道のように他社の線路を使用して鉄道の運行を行う者は第二種鉄道事業者と言われます。対して、JR西日本は、七尾~和倉温泉間は自らの線路で自ら運行を行う第一種鉄道事業者であり、和倉温泉~穴水間は自ら運行を行わず専ら線路を他社に使用させるだけの第三種鉄道事業者となります。