今回は、大糸線の中土駅を訪問します。中土駅は南小谷駅の隣で、大糸線の中でもローカル線の雰囲気が色濃いJR西日本の管内に位置しています。
列車の本数も少ないこともあり、南小谷駅からひと駅歩いて、ゆっくりペースで駅訪問しました。
中土は南小谷と北小谷の間の駅なんだよ
中小谷じゃないの?
境界の駅・南小谷
松本駅から大糸線の列車を乗り継いで、南小谷駅へとやって来ました。ここ南小谷駅は、JR東日本とJR西日本の管轄の境界となっています。
南小谷駅からJR東日本側は特急「あずさ」の発着もあるのに対して(1日1往復ですが)、JR西日本側は気動車が1~2両編成で走っているというコントラストがおもしろく感じられます。
南小谷では初めて駅の外に出てみましたが、駅舎はなまこ壁になっていて蔵のような外観です。レトロな朱色の丸型ポストが似合います。
南小谷駅からJR西日本側の列車は本数は少なく、この日もかなり待たされるダイヤでしたので、ひと駅歩いて次の中土駅へと向かいます。バスでアクセスすることもできましたが、見逃してしまいました...。
いま目の前でバスが出ていったんだけど・・・
あ~バスあったんだねぇ・・・歩いていきますか
ひと駅歩けば景色も違って見える?
それでは、中土駅まで歩いて行きます。まだ若い学生時代に「ちい散歩」を見まくっていた影響か、ひと駅歩くのはわりと好きです。もっとも、都会とは違ってこの場合はひと駅歩くと軽く1時間かかりますが...。
南小谷駅前の橋の上では、山々をバックに姫川の流れが見えます。大糸線北側は姫川に沿って線路が敷かれており、川の景色がきれいに見えるところが多いです。
しばらく歩くと、おたり名産館と小谷村郷土館があって、ちょっとした観光拠点になっています。おたり名産館は口コミによると蕎麦がおいしいという評判です。今回は開店時間前なので、スルーして先へと進みます。
今度はここに入ってみたいね
郷土館は恐竜の足跡の化石があるって
歩きながら道端に目をやると、花に蝶が止まっています。なんだか癒されますねぇ。列車やバスに乗ってたら、なかなかこういうのに遭遇しないのでラッキーです。
川の流れを見ながら国道を歩いていきます。山の青々した姿が、この時期らしいです。ふもとに建物がちらほら建っていて、あそこに住んでいる人はどんな生活なんだろうか、などとぼんやりと思います。
中土駅は幹線の国道から外れたところに位置しているので、途中から県道へと入ります。トンネルのようなところをくぐりますが、スノーシェルターでしょうか。このあたりは冬は雪がかなり降るところです。
さらに進むと、半円状のトンネルへと入ります。橋梁の上にも半円上のトンネルが交差していて、おもしろい構図に思えました。下を通るのが県道(旧道)、上を通るのが国道です。
トンネルを抜けると、小さな集落へと出てきます。ようやく中土駅に到着です。ほのぼのした駅前の風景です。
中土駅に着いたよ~
なんだか落ち着くところなの
中土駅を見てまわります
こちらが中土駅の駅舎です。板張りの渋い感じが漂います。駅舎は消防団の消防器具置場を兼ねているようです。駅舎の前には観光タクシーも停められていました。
駅の中も全面的に板張りです。林間学校にでも来たかのような雰囲気です。駅舎の中はローカル線にしては広く、この駅の利用者が座るには十分すぎるくらいベンチが置いてあります。
なにこの駅、思ったより広い!
消防団のところも駅の執務室だったかもね
ホームへと出てみました。駅舎側にも線路がありますが、かつては列車交換が可能な駅であり、その名残のようです。現在はホームの1面しか使われていません。
大糸線が全通する前は、この駅が終着駅だった時代もあったようです。駅舎が広いのにも納得です。
今回の駅ノート
中土駅には駅ノートが設置されていました。どなたが作ったのか、石の文鎮はハンドメイドでいい味が出ています。次の列車の来るまでの時間で描き残していきたいと思います。
今回の駅訪問では、実は、駅舎以上にこれが気になっていました。
「ゆっくりゆこう」。中土駅を訪問すると、もれなくこの標語に出迎えられます。この穏やかな雰囲気の駅には、ピタッとはまっている気がしたのでした。
裏側には「交通安全宣言」とありますので、ドライバーへの呼びかけのようです。
そういうわけで、駅舎とゆっくりゆこうのアーチを組み合わせてみました。新型コロナの緊急事態宣言明け、3か月ぶりに久しぶりに描きました。
ゆっくりゆこう! ね?
言われなくても、ゆっくりだよ~
以上、中土駅の訪問記でした。南小谷からの歩きは少々疲れましたが、大糸線沿線らしい景色が見られました。「ゆっくりゆこう」と呼びかけられているような駅探訪でした。