今回は、寝台特急サンライズ出雲のB寝台個室シングルに乗車する機会がありましたので、そのときのことをお送りしたいと思います。
かつては数々の寝台特急がありましたが、次々に廃止され、現在となってはサンライズ瀬戸・出雲は定期運行される唯一の寝台特急列車となってしまいました。
人気の列車だから、きっぷを取るのが大変らしいよ
お~ついにサンライズ乗るんだね!?
乗車する前に
最初にですが、サンライズ出雲のシングルに実際に乗ってみて、乗る前に知っておきたいと思った設備等に関する点を挙げてみます。
・車内販売はないので、食べ物や飲み物をなるべく乗車前に買い込んでおく。ただし、車内にソフトドリンクの自販機はある。
・個室内の荷物を置くスペースはあるが、あまり大きい荷物だと厳しい。
・アメニティに関しては、最低限タオルと歯ブラシは持参しておいたほうがよい。個室内にコンセントがあるので充電器があると便利。
・シャワーカードは売り切れることがあるので、必要であるならば早めに買っておく。
・シャワーは6分しか出ない。ストップボタンをうまく使って効率的に。
・車内での両替はできないようなので、小銭を準備しておく。
出雲市駅からサンライズ出雲に乗車
今回は、偶然にも出雲市に行かなければならない機会があったので、東京までの帰りにサンライズ出雲を利用することにしました。
乗車したのは日曜日(東京への到着は月曜日)ということもあって、いくぶん切符は取りやすくなっていたのではないかと思います。
サンライズ出雲の発車時刻である18時51分に発車します。始発の出雲市駅には、発車時刻のおよそ5分くらい前に入線するようです。
サンライズ瀬戸・出雲では車内販売はやっておらず、ソフトドリンクの自販機が設置されているのみです。 食べ物やアルコ―ル類はあらかじめ買い込んでおくのが良いと思います。
結局、そわそわして落ち着かなくなってしまい、20分くらい前からホームで待ってしまいました。
いざ乗車します!
さあ、出発時刻も押し迫ってようやくサンライズ出雲の登場です。
やっと乗れるんだね!かっこいいー!
ここからは長い長い旅の始まりです。始発の出雲市から終点の東京までは12時間超の乗車となります。
サンライズ出雲は伯備線を経由して岡山駅へと至り、岡山駅ではサンライズ瀬戸と連結を行って、山陽本線及び東海道本線をひたすらに走って東京へと向かいます。
今回きっぷを押さえた7号車へ、いよいよ乗り込みます。
中はどうなっているのかな?楽しみなの!
個室の中はこんな感じ
それでは今回泊まるシングルの個室へと行きましょう。ドアには自分で暗証番号を設定してロックがかかるようになっています。部屋を離れるときのロックは必須です。
個室の入り口から見た部屋の様子です。人ひとりがぴったり横になることができる大きさのベッドが置かれ、窓が大きく取られています。入り口付近にはテーブルが設置されており、窓際には時計や照明、ヒーター、FMラジオ等のコンソールがあります。全体的に木目調のあたたかみのある印象の造りです。
続いて、個室内に入って頭側です。荷物を置く細長いスペースがベッドの横にあります。大型でなければスーツケースでも置くことができそうです。
乗車前に買っておいたストロングな酎ハイを片手に、コンソールの音量つまみを回して普段では聞くこともないFMラジオを聞いてみます。電波が悪いのか、途切れ気味にクラシック音楽が聞こえてきて、グノーのアヴェ・マリアについて紹介しているようです。寝台列車らしい優雅なひとときが流れていきます。
アメニティがいろいろ
続いて、シングルの個室内のアメニティの類いを見ていきます。タオルと歯ブラシは置いてないので、持参したほうが良いと思います。
まずは浴衣です。ちゃんと用意されているのですね。ビジネスホテルみたいです。
ストライプ柄がかわいいね
続いて毛布と枕です。寝台列車らしい装備です。
スリッパもあります。予想よりもしっかりしていて履き心地も良いように思いました。
壁面にはハンガーがあります。そこそこの分厚さがあります。ジャケットやコートなど掛けておくこともできます。
テーブルのわきにはコンセントが設置されており、電気機器を使う際にいろいろと便利です。
スマホの充電に欠かせないよね
テーブル上には使い捨てのコップがあります。ホルダーにセットすれば多少の揺れも平気です。
ドア付近の床にビニール袋が置かれています。ゴミが出たら入れるのにちょうど良いです。
車内を見てまわります
通路の両脇にはシングルの個室が並んでいます。通路自体はそれほど広いというわけではありません。
各車両は1階部分と2階部分の2階建てになっています。平屋部分も少しあって部屋になっています。
洗面所・トイレ・自販機・ラウンジ
デッキには洗面台とトイレがあり、さすがに通常の列車よりも数が多く設置されています。洗面台は十分な広さがあり、使用中は入り口をカーテンで仕切れます。
3号車・10号車には大きめの自販機が、5号車・12号車の車掌室の前には小さめの自販機があります。品揃えはそれなりですが、通常価格で割増しがないところはありがたいです。
3号車と10号車にはラウンジがあり、通路の両脇に窓の方を向いて4つずつ椅子があります。ここで車窓を見ながら、食べ物や飲み物をいただくというのも良さそうです。
ラウンジは満席になっていることもありましたが、深夜には誰もいなくなっていました。せっかく空いているので自販機でコーヒーを買って、大阪あたりの夜の車窓をぼんやり見ながら一息つきます。
シャワー室に行ってみます
サンライズ瀬戸・出雲には、3号車と10号車にシャワールームが付いており、シャワーカードを購入することでシャワーを浴びることができるのです。(なお、A寝台を利用する場合には別に専用のシャワー室があり、シャワーカードがもれなく配布されるようです。)
シャワー室があるのと同じ3号車と10号車に、シャワーカードの自動販売機があります。
320円で購入することができますが、数には限りがあるようなので、早めに買うに越したことはないです。自販機は1000円札と硬貨しか入らず、車内で両替はできないという旨の張り紙がしていました。
シャワーカードを無事に入手したので、シャワー室へと向かい入湯でございます。
シャワー室の脱衣所のドライヤーの下にある差込口に、シャワーカードを差し込んで利用します。
リンスインシャンプーとボディソープは備え付けのものがありましたので、これらについては持って行く必要はないです。ただし、タオルは無いので持っていきます。
シャワー室の利用はあまり悠長に構えてもいられません。シャワーはスタートボタンを押してから6分しか出ないので時間との勝負となります。ストップボタンを押せばカウントを止めることができるので、こまめに押して無駄づかいを防ぐのがよさそうです。
列車の中でシャワーが浴びられるなんて、すごいねー!
サンライズを拝んで到着
やっとの思いで乗車できた感動やら、列車走行中の音や振動やらで、なかなか寝付けませんでしたが、寝台列車なのに寝なければどうすると言い聞かせて床に就きました。
目を覚ますと、もう神奈川県に入っていました。だんだんと夜が明けてきて、日の出の時刻となります。まさにサンライズという列車の名前のとおりです。
今回はかないませんでしたが、時間的に合うのであれば、根府川駅のあたりで日の出が見られれば最高ではないだろうかと思いました。
東京駅に午前7時8分に到着です。すがすがしく都会へと戻ってきましたが、まわりをみれば朝の通勤にスーツ姿の方々が忙しそうに歩いており、なんだか少し申し訳ないような気持ちにもなります。(といっても私も、このあと家に帰ってすぐに出勤ですが...)
きっぷを取るのは大変かもしれませんが、唯一の定期運行の寝台特急であるサンライズ瀬戸・出雲は一度乗ってみてはいかがでしょうか。
列車の中でお泊まり会できるね!
枕投げはダメだよ