JR常磐線の列車が不通の区間となっている富岡駅~浪江駅では、代行バスが走っています。今回は震災後に新しくなった富岡駅から代行バスに乗車しますが、バスの車窓から帰還困難区域の様子を垣間見えました。
いわき駅からの常磐線については以下もご参照ください。
新しい駅舎になった富岡駅
いわき方面から常磐線に乗って、富岡駅へとやって来ました。ここから先は浪江駅まで、現在は列車が運転されていない不通区間となっています。
駅舎への入り口には、空間線量率の測定値が表示されています。待合室の中にも同じような物があったと思います。
駅舎は2017年10月に新しくなったもので、相当にきれいです。また、駅前の広場やロータリーも整備されています。
駅舎に併設されている「さくらステーションKINONE」は、手前はコンビニのようになっていて、食品や飲料、お土産品が売っています。また入り口から奥側は軽食が食べられる飲食コーナーとなっています。
お昼過ぎの時間だったので、ちょっと食べていくことにしました。浜鶏ラーメンも良さそうで迷ったのですが、急にそばの気分となって天玉そばを発注です。味もボリュームも十分で、駅近くで食べられるのはありがたいです。
代行バスで帰還困難区域を
富岡駅から浪江駅までは、浜通り交通の代行バスにより運転がされています。途中の駅では停車がありません。
高速バスのようなタイプの車両で、路線バスより快適です。車内にトイレもありました。
バスは出発すると国道6号線に沿って走り、ほどなく帰還困難区域に入ってきます。国道6号線以外の道路はバリケードで塞がれており、どこか現実離れした景色が広がります。
道沿いに数々の店舗がありますが、誰がいるわけでもありません。どこを見ても全く人の気配が感じられることはなく荒涼寂寞としています。
道沿いには民家も多く見え、遠目ながら荒れているように見えたところもありました。ここだけぽっかりと取り残されてしまった感じがして、やるせない思いが募ります。
車窓を眺めながら、昨年(2018年)、私の実家がある倉敷に戻った際、豪雨の被害に遭った真備町を訪れたときも無人になった家々が連なっていたことが思い出されるのでした。
代行バスに揺られて30分程度、終点の浪江駅へと到着しました。ここから先は、仙台方面へと列車が走っております。
JR常磐線の全線開通は2020年3月が予定されています。いち早い復興を願うばかりです。
富岡駅には東京電力廃炉資料館も
富岡駅から徒歩15分程度のところに、東京電力廃炉資料館があります。原子力事故の事実と廃炉に向けた作業などについて、展示や映像などがなされています。ご興味がある方はこちらもいかがでしょうか。